「10年だけ、時間を下さい」
今すぐ漁師を継げ、と告げた親父に、息子はこう答えたという。
以来、今日まで努力で全日本学生選抜、世界選手権…と幾つもの優勝を勝ち取るが、いまだ父から「よくやった」と誉めてもらった事は一度もない。
あれから10年。
今息子はアテネにいる。
決勝戦…勝負に出たが“一本”負け…惜しくも、しかし銀メダルに輝いた。
まちがいなく親父は、息子を誇りに思っている。
10年前、周りのみんなに否定されながらも“夢”を選んだひとりの男に、心から感動している。
僕はアムウェイで、そんな成功をつかんだ。
岡本和久